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最終手段 ページ7

この悲劇を阻止するためには、何が何でもマフィン君を止めなければならない。どんな犠牲を払ってでも。

 かくなる上は……
 僕は自室に一人篭って慎重にプランを練り、ナイフを研ぎ始めた。
 しかしその真っ最中に突然ドアがノックされ、か細いマフィン君の声がした。

「ロビンさん……早まらないでくださいね……実はあの録音、既にホームズさんへ渡してあるんです……僕に何かがあったら、封を開けて聞いてみてと頼んであるんです……」

 どうしよう、マフィン君が怖い。



 マフィン君はいつの間に、こんな悪漢(ピカロ)に変身してしまったのだろう。優しくてかわいい子犬のような子だったのに。
 僕も僕だ。泣く子も黙る凄腕の秘密諜報員(エージェント)の癖に、どうして下宿仲間(フラット・メイト)の恐ろしいまでの変貌に気が付かなかったのだろう。て言うか、僕の正体バレてるんじゃない? だとしたら馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だな僕は。こんな子に後ろを取られるなんて終わりだよ。もう退職届けを出さないといけないかも知れない。長官は認めないだろうけど。



 僕は悩み、悔やみ続けた。晴れの日も雨の日も、あらしの夜も霧の朝も。庭の木々はいつの間にやら葉を落とし、まるで老人の細腕のように枯れて頼りない枝を、強く吹き付ける風に震わせるばかりとなっていた。

 でも、マフィン君の術中から抜け出す良い方法はなかなか思い付かない。何せ、あのシャーロックが一枚噛んでいる。僕が下手に動いたら彼は必ず感づき、録音に手を伸ばすだろう……僕が彼の企みを察知し行動を起こす時と同じように。

 僕はよく眠れなかった。毎朝の鏡で見る自分の顔は、ちょうど告白をして来た日のマフィン君のようにげっそりして、黒い隈が出来ていた。これはもう呪いだと思う。
 この顔のせいで、昨日などはシャーロックに「何処か悪いのか」と心配されてしまった。信じられない。どうしてくれるんだ。


 もう我慢出来ず、僕はとうとう、最終手段に打って出ることにした。
 どうしても嫌だったけど仕方がない。「弱みを握られている」という前提を崩せばコトは終わるのだ。
 だからつまり……死神と契約をすれば良い。

死神の部屋へ→←追い詰められて



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設定タグ:シャーロック , オリジナルBL , 腐女子   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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シャーロック(プロフ) - Riruriさん» うわ〜!嬉しいお言葉を本当にありがとうございます!お待ちしておりますのでぜひよろしくお願いします!感謝しております! (11月26日 0時) (レス) id: 37fed7f1d4 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - ネット販売おめでとうございます…!生憎金欠なので、お小遣い入ったら光の速さで購入させていただきます。本当は今すぐにでも欲しいですが……無念。これからもシャーロック様としての活動、カイマナふぁみりー様としての活動共に陰ながら応援しています! (11月24日 16時) (レス) id: fa82e694ee (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - Riruriさん» お返事遅くなってすみません!実は数日前から私が脳梗塞なんじゃないかって家族と大騒ぎしていて、とても余裕がなかったんです(汗)ハロウィン短編を喜んで頂けてとても嬉しいです。敵対関係にないのに互いに踏み切れない二人。歯痒いけれどもそれがいい! (10月15日 22時) (レス) id: 37fed7f1d4 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - 別世界線の二人も中身はそのままなのに設定が違うだけでここまで関係性も変わっていくのかと驚きましたし、それと同時により二人のことが大好きになりました💞素敵な作品を読ませてくださり本当に有難うございます!!読みにくい長文コメント失礼致しました💦 (10月11日 14時) (レス) id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - ハロウィン編、物凄く素敵です…!!新たな設定の二人と知り、どうなるのかとワクワクしながら読み進めていきましたが、そのワクワクを遥かに上回る程の面白さ、“尊さ”でさっきから溜め息が止まりません笑 物語の進め方、まとめ方も凄く美しくてただただ尊敬です…… (10月11日 13時) (レス) @page35 id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャーロック | 作者ホームページ:https://kaimanafamily.wixsite.com/welcome-to-sanctuary  
作成日時:2022年11月14日 17時

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