忌々しい記憶 ページ3
「ユウミさん? 嫌だなあ、僕の場合は嘘ですよ」
マフィン君はケロッと言う。
「嘘って」
「ホントはロビンさんのことばかり考えていました。毎日毎日毎日。でも、そのことを知られたくなかったんです。ロビンさんは僕を警戒するだろうなって思ったので」
「まあ……そうだね」確かに絶賛警戒中だ。
「でも、僕はもうこの気持ちを抑えられないんです。お願いです。僕にはロビンさんしかいないんです。付き合ってください!」
「……いや、落ち着こうよ」
僕は前のめりになって来るマフィン君を両手で押し留めた。
「僕のことを好意的に見てくれてるのは嬉しいんだけど、恋って、ちょっとさ」
「何ですか?」
「前提がおかしいと思うんだよね……困ったな」
頭痛がする。めまいがする。
これほどまでに『どうしたら良いんだ?』と途方に暮れる事態に見舞われたことはそうそうない。
眠れないほど思い悩んで、僕の良いと思う所を一生懸命に話してくれる、優しくて純朴なマフィン君を傷つけたくはない。けれどこれだけは無理だ。その想いに応えてあげたいけど、どうしても無理だ。
実を言うと、僕は英国諜報機関MI6の
ともかく、僕は昔イタリアで、あちらのマフィアの麻薬ルートを聞き出すために、マフィアのボスの親戚の男好きの男の金持ち(薄らハゲのデブ野郎)を堕とす任務についていたことがある。
適当にあしらってやったから実害はなかったけれども、そいつはずっとベットでどうこうしようという話ばかりしていた。聞いているだけで僕は死ぬほど胸が悪くなった。何度任務をすっぽかして殺してやろうと思ったか分からない。でも残り少ない愛国心をかき集めて耐え抜いた。辛かったな。
そいつはもう死んでいるけれど(殺したのは残念なことに僕ではない。僕に
マフィン君はもちろん、そいつと比べようもないほど良い子だし、どうかすると子犬のように可愛いけれども、駄目だ。駄目なんだ。可哀想だけども!
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シャーロック(プロフ) - Riruriさん» うわ〜!嬉しいお言葉を本当にありがとうございます!お待ちしておりますのでぜひよろしくお願いします!感謝しております! (11月26日 0時) (レス) id: 37fed7f1d4 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - ネット販売おめでとうございます…!生憎金欠なので、お小遣い入ったら光の速さで購入させていただきます。本当は今すぐにでも欲しいですが……無念。これからもシャーロック様としての活動、カイマナふぁみりー様としての活動共に陰ながら応援しています! (11月24日 16時) (レス) id: fa82e694ee (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - Riruriさん» お返事遅くなってすみません!実は数日前から私が脳梗塞なんじゃないかって家族と大騒ぎしていて、とても余裕がなかったんです(汗)ハロウィン短編を喜んで頂けてとても嬉しいです。敵対関係にないのに互いに踏み切れない二人。歯痒いけれどもそれがいい! (10月15日 22時) (レス) id: 37fed7f1d4 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - 別世界線の二人も中身はそのままなのに設定が違うだけでここまで関係性も変わっていくのかと驚きましたし、それと同時により二人のことが大好きになりました💞素敵な作品を読ませてくださり本当に有難うございます!!読みにくい長文コメント失礼致しました💦 (10月11日 14時) (レス) id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - ハロウィン編、物凄く素敵です…!!新たな設定の二人と知り、どうなるのかとワクワクしながら読み進めていきましたが、そのワクワクを遥かに上回る程の面白さ、“尊さ”でさっきから溜め息が止まりません笑 物語の進め方、まとめ方も凄く美しくてただただ尊敬です…… (10月11日 13時) (レス) @page35 id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーロック | 作者ホームページ:https://kaimanafamily.wixsite.com/welcome-to-sanctuary
作成日時:2022年11月14日 17時